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遠距離恋愛
中学のときに両思いになって、引っ越して離れ離れになって、早三年。
今はもう携帯が普及しているけど、中学から何となく続けたままでいる文通が
彼との唯一の繋がりだった。
不満も何もなかったけど、少しずつでも積もる思いはある。同封された写真。
彼の成長した姿を見て、疑いを抱く自分が嫌いだった。
本当に、まだ私のこと好きでいるの?―なんて。
「遠距離恋愛?全然会えないんでしょ。辛くないの?」
友人からの純粋な指摘も気分を重くさせた。
でも、絶対に言うつもりはなかった。時々痛む胸を誤魔化して、やり過ごして、
―彼を困らせるようなことは言わないって決めていたのに。
「今、合宿でお前んとこに来てる」
驚かせようとしたんだろう、突然の電話で彼はそう言った。
その一言が私を大きく揺らがせた。
「……会いたい」
不意に口から零れた言葉に、私は息を詰まらせた。早く、早く撤回しないと。でも、何て?
一気に思考が混乱しそうになったとき、彼の声が耳に届いた。
「―わかった」
たった一言を聞いただけで、まるで錯乱なんてしなかったようにすっと落ち着いた。そういえば、昔からそうだった気がする。彼の声は何故だか私を安心させていた。
「待ってろ、今夜そっちに行く」
何てこともないように彼は言った。
いいな?と問い掛ける彼にうん、と頷く。
待ってる。そう言った声は微かに震えていた。
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タイトルのまんま遠距離恋愛ものです。
男の子は合宿中、女の子のために夜脱走し会いに行くというストーリー。
ペアイベントとしては『手紙→電話→脱走→逢引→……』でしょうか。手紙のときは男の子は男の子同士で、女の子は女の子同士でちょっと恋人について話していると楽しいかとー(´∀`*)
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