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その視線の先がどこに向けられていたってことくらい、
…とっくに わかってた。
桃色洋灯(ランプ)*
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とても優しく、誰にもわからないように。
そのことを知っているのはたぶん、わたし一人。
他の誰も気付いていないはずだ。
理由は―わたしは彼と同類だった。視線の先は違っていただけど、
ただ、それだけ。
彼があの人を見ていたのを知っていたから、何も告げるつもりはなかった。
燃えさかることも燃え尽きることもなく燻り続けるこの想いを胸に閉まって、
ただ時々疼くような胸にも気付かないふりをして誤魔化して、
欠片さえ言わないで彼と別れるんだろうなと思ってた。
…だけど。
「うるせえよ!慰めなんかいらねえつってんだろ!何を根拠にそんな―」
すべてに投げやりで、あまりに痛々しい彼を見ていられなかったから、
「君のことが、好きだからだよ!」
すべてに投げやりで、あまりに痛々しい彼を見ていられなかったから、
「君のことが、好きだからだよ!」
(ぴたり。と時が止まる音がした)(それで私は何を言ったか悟った)
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